Arduino電力計 - プロトタイプ
Posted by arms22 on 2011年04月11日

目次
- Arduino電力計 - プロトタイプ
- Arduino電力計 - 回路図とスケッチ
- Arduino電力計 - サージ対策
- Arduino電力計 - Pachubeにデータをアップロードする
- Arduino電力計 - ケースに組み込む
- Arduino電力計 - 2系統対応の回路図とスケッチ
- Arduino電力計 - 分電盤に接続
イントロダクション

ずっと以前から作って見たいと思っていた電力計を作り始めた。電力計はワットチェッカーやワットモニターなど安価でそこそこ使えるものが市販されているが、部屋全体の消費電力が知りたい場合、それらを電化製品1つ1つ(或いはテーブルタップ)に取り付ける必要がある。また照明など壁に埋め込まれた機器には取りけられない。
僕が作りたい電力計は機器とコンセントの間に挿入するタイプではなく
蓄積したデータを使って「今日の最高・最低電力」とか「本日の消費電力」とか表示させたい。数年分のデータがたまれば明日の電力予測もできるかもしれない。温度計のとなりに電力計を置く日も近いかもしれない。
※1...
※2...エネルギーや環境データなど、さまざまなセンサーデータの共有を可能にするウェブサービス。
プロトタイプ


まずはArduinoを使って簡単に実験+プロトタイプを製作。電力計算に必要な電圧と電流を測定する部分を作る。
電圧は電源トランスを使って100Vを6Vぐらいまで落とし、さらに抵抗で2Vぐらいまで落としてからArduinoのアナログ端子に入力する。電流はU_RDの極小型クランプ式電流センサ「CTL-6-S32-8F-CL」を使う。電流センサのワイヤに100Ωの負荷をつなぐと、機器側に流れた電流に応じた電圧が発生する。この電圧をArduinoのアナログ入力で読み取る。電流センサは電源コードの片側に通して使用する(写真右)。
電源トランスの定格出力電圧は定格電流を流した時の電圧で、負荷が軽いと2~3割り高い電圧が出力される。今回使った電源トランスだとピークツーピークで25Vもでていた。マイコンを壊さないようしっかり抵抗で電圧を下げて使う必要がある。
電流センサの出力は0V~1Vとマイコンで扱い安い電圧が出力されるが、5V動作のAD変換の分解能が4.8mVと少々荒くなっていて若干誤差がでる。誤差を減らす為にアンプを通して電流センサの出力をもう少し高い電圧にする必要がありそうだ。
実測
プロトタイプを使っていくつかの機器の電圧、電流、消費電力を測定してみた。測定はテーブルタップに電流センサ、電源トランスを繋いだ状態で対象の機器を1つだけつないで行った(この記事のトップ写真)。青色のグラフは電圧、緑色のグラフは電流を表している。グラフの下に実効電圧(Vrms)、実効電流(Arms)、皮相電力(VA)、有効電力(W)、力率(%)、積算電力(Wh)も表示している。
定格100V、54Wの白熱電球。ワットは近い値がでている。力率100%のはずだけど96%とほんの少しだけ低い。ADCの変換時間分、位相はずれるけど4~5%もずれないはずだが。。回路側はオシロスコープがないと何ともならないな。

103.25Vrms, 0.55Arms, 57.05VA, 54.98W, 96.38%, 0.85Wh
定格20Wの電球型蛍光灯。スパイク上の電流波形。

104.23Vrms, 0.39Arms, 40.37VA, 19.92W, 49.35%, 0.25Wh
MacBookのACアダプタ。スパイク上の電流波形。蛍光灯より鋭い。

103.75Vrms, 0.38Arms, 39.67VA, 17.23W, 43.43%, 0.27Wh
MacBookのACアダプタやWiFiルータ、CATVコンバータのアダプタ。

104.02Vrms, 0.64Arms, 66.59VA, 33.59W, 50.45%, 14.11Wh
長くなりそうなので回路図、Arduinoのスケッチはまた次回。
参考URL
電流センサのUユー・アール・ディー - 技術情報
計測技術研究所 - ワットチェッカーの動作原理
Yahoo!知恵袋 - ワンチップマイコンで交流電圧(正弦波)を測定したいのですが...
Aitem-Lab - 交流の大きさ表現
力率と皮相・有効・無効電力
YOKOGAWA - 交流電力の基礎知識と電力測定器の仕組み
関連URL
Under Power 研究所 - MSP430-CQ ベースボードのアプリケーション AC電圧/電流計
Fenrir's Blog - XBeeでワイヤレス電力計
がた老AVR研究所 - Xbeeを使った電力ロガーの仕様を考える
Arduino Blog - WiFi Enabled Whole House Power Meter
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力率は以下の計算で求めています。
実効電圧(Vrms) × 実効電流(Arms) = 皮相電力(VA)
皮相電力(VA) ÷ 有効電力(W) = 力率(%)
有効電力は瞬時電圧と瞬時電流の積を積分した値です。
実効電圧(Vrms) × 実効電流(Arms) = 皮相電力(VA)
皮相電力(VA) ÷ 有効電力(W) = 力率(%)
有効電力は瞬時電圧と瞬時電流の積を積分した値です。
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